2016年12月10日 (土)

(582) 発達障害児育児と持ち家(2)

今回は、(580)での記載内容とは別の視点で考えてみました。

持ち家に伴う転居については、それまでと基本的な生活圏が大きく変わらない範囲での移転と、生活圏が全く変わってしまう移転がある、と思います。特に、我が家の場合、いずれ実家に帰って住む(相続する)ことを考えており、それは首都圏から完全に離れることとなりますから、後者に該当することとなります。

この場合、障害のある子をどうするのか、という問題に突き当たることとなります。

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2015年8月14日 (金)

(520) 安全配慮義務

妻子の帰省同行、親の介護、当方の手術、と芸能人並みに忙しかったcoldsweats01ので、記事の更新が遅くなりました。申し訳ありません。

さて、安全配慮義務という言葉は、皆さんお聞きになったことはあると思います。

これは最高裁判所の判例(昭和50年2月25日第三小法廷判決)により定立された概念)です。「ある法律関係に基づいて特別な社会的接触の関係に入った当事者間において、当該法律関係の付随義務として当事者の一方又は双方が相手方に対して信義則上負う義務」とされています(何を言っているのか、イマイチよくわかりませんねhappy02)。

今回は、これに関わりもう少し生活に密着したわかりやすいものを取り上げたいと思います。それは、雇用です。

雇用、即ち労働契約においても、労働契約法第5条で「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と定めています。これは使用者、即ち雇用主に課せられた義務であり、昨今話題となる過労死が起こった場合、会社はこの安全配慮義務違反を問われることになります。

ただ、この配慮とは何をどこまでやれば良いのか、ということについてはまだ定説が無いようです。例えば、過重労働についてはある程度厚生労働省が指針を定めており、その指針が一定の判断基準となっているものの、それ以外の細かな労働条件等については、まだ手探りとならざるを得ない部分も少なくないのが実態です。

長々と書きましたが、実はここまでが前段でwobbly、私が懸念していることは、この概念は当然障害者が就労する場合においても考慮されなければならない、ということです。更に言えば、発達障害者の場合、軽度の人だと障害者就労だけでなく、障害を前提としない一般就労をされている、あるいは目指されている方もおられるのですが、会社に特性を告知せずに就労した場合に、会社側に障害特性に基づく配慮をどれくらい要請できるのか、という問題が提起されることになるだろう、と思っています。

会社側も、ブラックではない企業なら一度採用したからには軽々に社員に辞められては困ると考えるのが普通であり、会社側にそれほど負担とならないことであれば、配慮してくれるだろうとは思います。ただ、その過程で障害そのものをカミングアウト(端的には、「自分は、障害者である」と告知)しないで会社に要求できることって、それほど多くは無いのではないか、ということを危惧します。

「それなら、障害を告知すれば良いではないか」ということになるのかも知れません。でも、障害者就労を選ばない理由は、いろいろあると思います。とりわけ、障害が軽度であればあるほど、収入や仕事の内容等で自分が満足し自己実現できるものを選びたいと考えるならば、一般就労を選ぶ方向に向かいやすくなりますよね。

また、そもそも自分が発達障害を抱えていることに気付かずに一般就労で働き、日々苦労している方も実際におられます。彼らがどの程度会社業務と折り合いをつけているのかを推測した時に、かなりの方が「ただ耐えている」のではなかろうか、と思うのです。だからこそ、例えば力尽きて鬱で休職・退職を余儀なくされるケースが少なくないことが明らかになり、その背景に「大人の発達障害」があるという事実が取り上げられるようになってきたわけですし。

実は、仮に特性を告知した障害者就労であったとしても、その配慮が「神様の目から見て」万全になされている、ということはむしろマレだと思います。会社側が真摯に努力をしたとしても、発達障害者の扱いに長けた職場というのはまだまだ少数でしょうから。

障害者雇用率の向上を目指すのが世の趨勢である以上、安全配慮義務についての議論も今後は避けて通れないテーマとなります。お気づきのように、企業は特性を告知されても、それだけではどうして良いのかが分からない場合も多いはずです。そして、特性への配慮への具体的なアプローチが提示されていないのに、何かあったら労災だ、安全配慮義務違反だ、となるようであれば、雇用する企業側の障害者採用意欲は下がる方向に向かいやすくなります。ですから、結果責任ではなく、一定のラインはやはり必要になるでしょう。増して、そもそも特性について何も告知を受けていないのであれば、安全配慮を尽くそうにも「気付き」が生まれにくくなります。

もちろん、障害を告知して一般就労という道も無いわけではありません。でも、それはまだ一般的ではないと思っています。

安全配慮義務については、一般就労であってもまだまだこれからの議論だから、と思う一方で、そちらで一定のコンセンサスが得られるまで待つわけにもいかないという思いもあり、今後この議論が進むことを期待しています。

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