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2017年1月29日 (日)

(589) ABC分析と行動随伴性

今日、ネットニュースから、以下の記事に行き当たりました。

<糖尿病「教育入院」をしてみた>まずい食事でも糖尿病を改善しようとがんばる人は多いか?

大学院で行動分析を学んだという著者であっても、このような誤解をされているのか、ということに驚きました。私がそう思ったのは、ABC分析のところです。

ABC分析とは、先行条件A(antecedent)、行動B(behavior)、結果C(consequence)を直接観察する方法です。著者は、ABC分析を以下のようにされています。

A:カロリー制限で糖尿病を改善しようとする

B:出てくる食事がまずい

C:カロリー制限なんか止めようと思う

ここで、特に、Bって主観的な事実であって行動ではありません。また、Cも行動者の思考であって、観察できませんから対象とはなりません。更に言えば、Aは先行条件とするには大くくり過ぎます。

もし、私が本件でABC分析をするならば、

A:(空腹で)イライラしている

B:糖尿病食を食べる

C:(カロリー制限のため空腹が満たせず、かつまずいことで)イライラしている

ではないかと思います(これも間違いかも知れません。そうであれば、ご指摘下さい)。こうなると、糖尿病食を食べる行動が、行動随伴性により弱化されると考えます。

そもそも、生活習慣病系って行動随伴性がほとんどない場合が多いと感じています。もし、飽食により都度痛むようなことがあれば、当然その痛みは嫌ですから食事をセーブするようになるでしょう。

でも、糖尿病は、静かに進行します。著者ご指摘の網膜症(失明の可能性)、腎症(透析に至る可能性)、神経障害(壊疽による切断の可能性)という糖尿病性三大合併症も、発症するまでは特段自覚がありません。そうなると、医療機関から指摘を受けるまで、改善努力をしようと思わないのもやむを得ないことだと思います。

また、実際に糖尿病食を継続して改善しようとしても、これも同様に自覚症状がありません。数字が改善してきたら動機としては十分となるものの、行動に直結する快適な刺激にはなりにくいため、意思に基づかざるを得ないと考えます。

障害児育児において、ABC分析により望ましい行動を増やし、望ましくない行動を減らす取り組みは、療育でかなりのウエートを占めます。今回の記事を目にして、適切なABC分析の大切さを再認識しました。

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