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2016年10月15日 (土)

(574) 正しいけど本質ではない

息子が小学校時代に通級指導教室に通っていたことは、既報の通りですが、そこで一緒に学んだお子さんというのが何人かいます。

先日、その中の一人の保護者の方と妻がバッタリ会ったそうで、双方のその後の様子について、ひとしきり話に花が咲いたようです。

ただ、その保護者のお子さんは、今は通級には通っていないそうです。何でも、小学校時代にクラスの男の子から「お前、○○学級に行っているんだろ、バカなんだな」とからかわれたことがあったそうで、そういうことがあって行くことを嫌がるようになり、中学では通級に通うことをやめてしまったとのこと。

こういう話を聞くと、ものすごくもったいないなあと思うのです。

せっかく利用できるリソースがあるのに、それをたまたまクラスが一緒になっただけの、我が子の人生に何ら責任を負わない子の、気まぐれな無理解と悪意によって、我が子の利用する意思が削がれてしまう。

当然のことですが、そういう子と今後ずーっと学校や職場が重なることなどまずあり得ないと考えるのが普通ですから、たまたま一時的にクラスが一緒になっているだけだと達観して、通い続けても良いはずです。でも、残念ながらそう判断できる程には、本人も精神的な成長が追いついておらず、馬鹿にされることによる自尊感情の低下を考えあわせると、本人がこのような選択をしてしまうのもやむを得ないことだと理解はできるのですけど。

障害への理解を求める。よく言われるこの言葉ですが、多くの人に深淵・高遠な理想を説いたとしても、そうすれば理解してもらえる、などということはあり得ないことです。実際、私はそのようなことは期待もしていません。ただ、こういうちょっとした身近な成長の妨げとなる発言をしないようにしてくれるだけでも十分なのになあと思うと、やはり残念です。

なお、通級指導教室に通えているということは、基本的に知的能力には問題がないことを前提としているので、この男の子の○○学級に対する理解は明確に間違っています。でも、もちろんこの批判は正しいものの、障害者への対応という点で本質的ではないなあ、ということに気付きますし、それはそれで今度は知的障害者に対する侮りを許してはならないという更なる問題につながることとなり、肩を落とすしかありません。

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教育制度・環境」カテゴリの記事

コメント

うちの子供が通っている病院の療育施設は、(土)コースがありますが、
小中学校の通級に通いたくない子供たちが集う場になっていますよ。

学校が提供してくれるサービスならクラスと連携してるし、無料だし、近いし、
それでも、高学年になってくると、通級を拒否する子供は多いですね。

うちの場合は、通級に通う程度とみなされず、通級に通えませんでした。
だから、民間です。病院だけど自費なので高いですよ。遠いし。

近所のお子さんは、小学校が支援級で、中学では普通級ですし。
これは、高校受験のためですね。支援級だと内申がつかないから。

めがねっこ様

コメント頂きありがとうございます。

周りが見えるようになるのは、成長の証なのでしょうけれど、そうなる程に通級を拒否するようになるのって何だかな、と思います。

多分週に1回程度だろうと思うのですが、それでもその1回が、通級と通常学級の二者択一を迫られることとなることは、何とかしなければならないことだと感じています。

そちらの病院のように、別の場所で行われる療育が、ある程度公費負担されるようになった方が良いのかも知れませんね。

未熟な私の質問で申し訳ないのですが、
「お前、○○学級に行っているんだろ、バカなんだな」
と言った男の子について、学校に相談されたのか気になりました。

私には低学年の息子がいて、息子の同級生から同じようなことを
親の私に言うパターンもありました。
「どうしてそう思うの?算数も国語もできるけどな。大きな教室だとたくさん音があって苦手なんだよ」
「必要だから、その教室に通っているんだよ」
など話すこともありました。
一番効果があったのは、親通し仲良くしたり、親の私がその子供と仲良くすることでした。(低学年のうちだけだろうな、と思いますが…。)

そして、こういう会話があったという事を、後日個人面談で先生に伝えています。

結局そういう発言をしたたちは、別のところで困りごとがあり、何かしら問題を抱えています。
これは、私が子供の頃の時もそうで、まさしく「困っている」子供だけが、そういった行動に出ていました。

発言を止めるのではなく、相手の子に困りごとがあるサインとみて、大人の側から気にがけることができれば、と思うのですが・・・。

本当は通級に通って良かったのに、周りの意見で否定的になってしまう、もったいないですね。


ぱんだ様

コメント頂きありがとうございます。

「お前、○○学級に行っているんだろ、バカなんだな」の発言は、妻がバッタリ会った保護者のお子さんに向けてのものです。従って、私や妻が学校に相談はしておりません。

ただ、通級とは別の件となりますが、息子をからかう子がいてトラブルになった時には、学校の先生ともお話して、解決するようにしてきてはいます。

この手の対応は、しないわけにはいかないものの、あまり大げさにしてしまっては後々別のところに悪影響が出ると考えていて、サジ加減が難しいと思います。

なお、確かに加害的な発言をする子に対するサポートは必要だと思うのですが、それを背負えるほどの能力もありませんし、アンコントローラブルなことは否めません。残念ですが、いかんともしがたいと割り切っています。

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