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2015年3月 1日 (日)

(497) 能力が無い、低い

発達障害に関わっていると、○○する能力が無い(欠如している)、低いという表現を見聞きすることが多くなります。

最たるものは、注意欠如(欠陥)多動性障害というネーミングでしょうか。それ以外でも、人への関心やコミュニケーション能力、集中力、協調性やこだわり等に関して、そう表現されてしまうことがあり、息子を含む彼らの言動を見ていると、確かにそれもやむなしだな、と感じることはあります。

この能力の有無や高低って、それ自体には主観が含まれていないはずですが、実際のコメントを見聞きした場合、どうしても受け取る側には非難や軽侮されたような印象を与えがちだな、と感じます。

やはり、社会一般では能力は無いよりはあった方が、低いよりは高い方が良い、という価値観が前提にあり、その価値観が私達に幼い頃からの積み重ねで刷り込まれていることから、そのような印象を感じてしまうのではないか、と考えています。つまり、我々の価値観に能力絶対肯定主義が内在してしまっている、ということかと。

確かに、能力ってあって困るものではありませんし、大抵のものごとにおいてできないよりはできた方がよく、できるならよりできた方が有益かつ便利であることは、間違いないことではあると思います。

強いて言えば、人間は全ての能力が無くても、多少できないことがあっても生きていけるとは言えますが、それは能力絶対肯定主義を否定するものではありませんよね。

ただ、たとえ真実ではあっても、それ自体が言葉の刃になり得ることってあるなあ、とは感じます。

そういう表現の端々に、パッと見には客観的であるように感じさせながらも、社会の価値観が含まれていることがあるということを、しっかり認識する必要がありますね。

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