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2015年2月14日 (土)

(495) 叱れば動くこともなく

今は、共働きが普通の時代となりました。

それでも、家計において一般的には妻の収入の方が低いことが多く、その過半を担うのは夫側である、ということは、現状では決して珍しいことではないと認識しています。もちろん、ジェンダー論的にはいかがなものだろうか、という問題意識はあるものの、現実を基に議論をしないと発散するので、ここではそこに立ち入らないものとします。

会社において上司が数値目標を示して、その必達のために檄を飛ばす、うまくいっていない部下をしっ責するということは、普通にあることだと思います。

そういう厳しい環境の中、お父さんが家庭人として家族のことを思い、頭を下げていること自体は、素直に尊いことだと思うのです。

ただ、このようなどこの会社でも見られる悪い「常識」に捉われているうちに、立場が変わった際に、自分も他者をしっ責すれば、自分が思うように動くようになる、と大きな誤解をしてしまうのではないか、ということを危惧しています。虐待の連鎖ならぬしっ責の連鎖です。

私の感覚では、数値目標を満たしていないことに対してあれこれとしっ責してくる上司が、同じ口で「目的意識を持たなければだめだ」「自分で考えて行動できるようにしないと」と言うのは、言う側に大きな矛盾があると思います。自発行動を促すのであれば、しっ責ではなく教導すべきでしょうし。

私達が関わっている障害児育児の常識として、良くない行動に対してしっ責すれば良い、等と言われることはありませんよね。もしかしたら、障害児に対して叱ってはダメで、健常児ならしっ責しても良い、のでしょうか? ちょっと考えれば、そのようなことはないですよね。こういう叱りの効果に対しても大いに疑問を感じ、子育てのあるべき姿も考え直すべきでしょう。

しっ責に耐える、苦労をすることは、目的ではありません。望ましい行動を示して定着させることについて、日本人はもう少し前向きに受け止めるべきだと思います。苦労して体得することができる人は、決して多くありません。挫折リスク、誤解リスクも無視できませんし。

連合艦隊司令長官だった山本五十六氏を尊敬する経営者は、少なくありません。であるならば、その語録にある「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」についても、是非とも実践して頂きたいものだと考えています。

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