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2013年12月14日 (土)

(433) 困った時に

人間誰しも
「困ったな…」
「うーん、どうしよう?」

と思う瞬間があると思います。

そう思うこと自体は全く普通なのですけれど、発達障害の子の場合、不器用、独特の認知等の要因によって能力的に自力で解決できない可能性が高いため、本来は速やかに周囲に助けを求める方が問題解決が早いはずなのです。

しかしながら、彼らはシングルフォーカスという特性があり、今取り組んでいることに全力を注いで集中してしまう傾向にある結果、助けを求めることについて思い至ることが困難となります。

そして、「何を根拠に?」と問いたくなるくらい妙にプライドが高いという特性も併せ持つことから、人に何かを頼むことに心理的な抵抗感を抱きがちです。

更に、やっと助けを求めようという気になったとしても、人に助けを求めて話しかけるタイミングが分からないという特性から、マゴマゴしてしまうことにもなります。

おまけに、それらを乗り越えても、自分の置かれている状況や困っている内容、どうしたいのかを的確に表現して伝えるのが苦手という特性もあったりします。

これらの相乗作用によって、発達障害の子が困った問題に直面し、解決まで至ることは、かなりの難関ということになります。

とはいえ、一度取り掛かってしまうと、逆に途中で諦めることも困難な彼らは、イライラ感を募らせてバーストしてしまうということも、残念ながら決して珍しくはないです。これでは決して楽しい人生とはなりませんよね。ゆえに、まず彼らに対しては、どうもうまくいかないなあと感じた時点で、取り組んでいる事柄から気持ちをちょっと離す訓練が必要になります。

本来、試行錯誤をすることも、成長にとってはあながち悪いことではないとは認識しつつも、大体これくらいやれば…という見極めがつけにくいのであれば、与えられた時間や自分自身の気持ちの変化(イライラし始めた、等)を冷静に判断できるようにすることはどうしても必要となります。それが難しいと言われたら、その通りではあるのですが…。

次に、助けを求めることは恥ずかしくないことを教えていく必要があります。これは、親自身が子供の見ている前で、誰かに助けを求める姿を見せる、というやり方もありますし、逆に子の側も、第三者ではなく親にならまだ助けを求めやすいでしょうから、(助けを求めるようにプロンプトし)助けを求めて来たら、その行動を誉めて強化する、というやり方もあるかと思います。

話しかけるタイミングや困っている内容説明については、正直なところ場数を踏んでいくしかないなあと感じています。本当に困っていて緊急性がある場合には、タイミングを図っていられませんし、内容説明も、ある程度は頼られた側の理解力・推理力に期待しなければならないことにもなりますし。ケースバイケースと言ってしまうと、漠とし過ぎていてそれはそれでちょっと問題ではありますが…。

もちろん、SSTや言語指導を受けるという手もあるでしょうけど、これらを上手に指導できる人はかなり限られていて、順番待ちとなってしまうという現実があります。親が感度を高めて、日常生活のちょっとした指導の機会を見つけて逃さないよう意識していくしかなさそうです。

自分が困っている時にそれを誰かに伝えて解決していくことは、逆説的ですが「自立」に不可欠な能力だと思っています。ゆえに、この取り組みも不可避のものとなります。ただ、他者と冗談を交え円滑なコミュニケーションを取る、という極めて高いハードルに比べれば、まだ取り組みやすい課題であるとも言えますし、地道にやっていくしかないなあと感じています。

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