« (425) まだ行ける | トップページ | (427) ステークホルダーという考え方 »

2013年10月25日 (金)

(426) マイペースと譲れる範囲

広汎性発達障害と診断済の息子との生活も、10年になろうとしています。

やはりその特性から来るものだからしょうがないとはわかっているものの、息子は自身のペースを崩されることが苦手です。幼少期の、激しく抵抗するというようなことは無くなってきていますが…

例えば、学校に行く時間が迫っている時に、急いで間に合わせようという意欲を見せることは、まずありません。このままだと確実に遅刻するなあと思うと、親としては「息子君、時計を見て! あと10分で家から出ないと学校に間に合わないよ」と言わざるを得ません。これに対して息子は、「時間が経つのが早過ぎる!」という、極めて「ユニーク」な言葉を返してきます

思わず平清盛が、「なかなか進まない海の工事に業をにやして、扇で太陽を仰いで戻した」伝説を思い出してしまいました…厳しく言っても効果がないばかりか、かえって事態を悪化させてしまう結果を招くのはわかっている一方で、黙っているわけにもいかず、公知の事実として「時間は皆に平等に経っていくのだから、時間に合わせて準備をするしかないよ」と伝えるようにしています。そうすると「わかってる!」と不愉快になってしまいます。

実は、息子も冷静になれば私が言っていることはキチンと理解できるのです。でも、彼の不愉快回路(私の勝手な命名です)が作動し始めると、そういう理性的な判断ができなくなってしまうのですね。発達障害児の多くは、特性から自分の意思に反した急な予定変更をすることも苦手なため、言われてもすぐに反応することができず、グズグズした態度をとってしまいます。

ところが、これを一般の人から見ると「正しいことを言われても従おうとしない、反抗的な態度であって、許してはならない」と受け取られやすくなってしまうという事実があります。

実は、いざ会社に入ってしまうと、マイペースな人って結構います。私も、「へ? そんなのアリ?」と思ったことがあります。ただ、大人になってしまうと半分は諦められて周りの方で調整してしまうことも多い(もちろん、その分その人の評価は低めになる)のですが、子供だと、むしろ子供のうちなら治せるという特性に配慮しない善意の誤解から、厳しくされることが多くなり、結果として彼らがかえって辛い立場に追い込まれることも多いのではないかと危惧しています。

息子は、今では昔よりも短い時間(但し、普通の人よりは長い時間)で「気を取り直して」やるべきことをできるようになってはきました。この部分については、特性に配慮して厳しく言うことは避けるべきではあるものの、ブレずに伝えるべきことは伝えていくという姿勢が大切だと感じています。

配慮とは、譲れるところは譲ることでもある一方で、譲れないところまで譲ることは配慮ではなくスポイルになってしまう、ということを忘れてはならないと思います。この見極めが大切なのですが、まさに微妙なさじ加減であり、最後はエイヤーでやらざるを得ないことになりますね。

« (425) まだ行ける | トップページ | (427) ステークホルダーという考え方 »

家庭での様子」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: (426) マイペースと譲れる範囲:

« (425) まだ行ける | トップページ | (427) ステークホルダーという考え方 »

2020年9月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

twitter

  • twitterやっています

派生ブログ:障害児育児から見た世の中のしくみ

  • 派生ブログ:障害児育児から見た世の中のしくみ
    こちらの派生ブログです。 こちらが息子を中心に息子の成長の様子や成長に関わり教育や社会について考えたことを書いているのに対し、同じ発達障害絡みではあるものの、広く社会一般を理解する一方法を軽く書いています。 せっかく学んだ発達障害の知識を生かすとすれば、という視点で書いています。
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
無料ブログはココログ