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2013年3月18日 (月)

(390) クローズアップ現代“大人の発達障害” を観て

2013年3月13日(水)に放送されたNHKの「クローズアップ現代-“大人の発達障害” 個性を生かせる職場とは? http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3324.html」の録画を、昨日やっと観終わりましたhappy02

この番組では、大人の発達障害者が職場で直面する困った状況、なぜその困った状況に陥るような行動をしてしまうのかについての医学的な解説、弱みを補う強み探し、発達障害へ前向きに取り組むことで業務効率向上につなげることに成功している企業の例等が紹介されており、内容としてはコンパクトによくまとめていると思う一方で、この「先進的」な企業のレベルまで社会全体の意識が変わるのに、後どれくらいかかるかな? と先の長さを感じたりもしました。

なお、NHKの番組HPにも記載がありますが、「国の研究機関は、日本人のおよそ1割に発達障害のなんらかの特性があり、うつなどになる可能性がある」との指摘は、思ったよりも数が多くて驚きましたし、この1割という数は当然無視できないレベルであって、やはり何らかの対応が必要だろうとの思いを強く抱きました。

企業の取り組み例として、「空気が読めない」障害特性を「いつでも確認する」強みとして活用するべく、エンジニアのスケジュール管理業務を担当させて効率向上につなげている事例が紹介されていました。

会社にお勤めの方はお分かりだと思うのですが、一般的な企業活動をする上では、かつての勘と経験ではなくPDCA(Plan⇒Do⇒Check⇒Action 計画を立てて実行し、それをチェックして次の計画策定に活かす)サイクルを回すMS(Management System マネジメントシステム)が極めて一般的になってきています。この中で「Check」の部分は、むしろ空気を読まずに原理原則でモノを言う姿勢が求められるのではないか、その昔、総務業務だけを行う独立会社を作った例がありましたが、会計士等による監査とは別に日常的な業務についての監査を専門に行う会社というのもあって良いのではないか、そこは発達障害の人の活躍の場と成りうるのではないか、等と考えたりしました。

実際、MSの監査者は、部門内部の出身者だと(事情に通じているだけに)甘くなりがちなことから、わざわざよその部門にお願いして監査者を選任するくらいですし、企業秘密の件さえクリアできれば、これはアリだと思います。

もちろん、原理原則だけではうまくものごとが運ばないという批判はあると思います。でも、監査の指摘を受けて現実的な対応計画案(要するに落としどころ)を考えるのは、もちろん監査者ではなく経営側の仕事だと思います。更に、企業は社会的な責任に応える責務があると考えられる時代となってきたわけですから、会社事情を斟酌しない人を活用してその意見を取り入れることは、むしろ不可避になっていくのではないかと考えられます。

昨今では、ちょっと上の先輩社員によって新入社員に対して指導を行い、円滑な社会人移行を図るメンター制度が広がってきました。これと同様に、番組内でも紹介がありましたが、発達障害者にもその特性を理解する世話役を配置してケアしていくというのも、とても良い取り組みだと思います。

長い不景気で、即戦力を求める傾向、人を育てる費用をコストとして見る風潮が蔓延しています。でも、このような会社側の都合による人材の植民地的収奪利用の時代は終わりを迎えるべき時が来ていると思います。細くとも長く事業を継続できて、たくさんのステークホルダー(利害関係人)との関わりに対応できる強靭な会社に変えていこうとする時に、発達障害者の活用も一つのポイントになるのではないかと感じました。

なお、発達障害者が会社できちんと働けるよう支援する企業も番組内で紹介されていましたが、これは見方を変えれば就職予備校としての役割も担っていることになります。支援機関が幼少期に偏りがちなことを考えると、こちらは更に需要の高まりが予想される成長分野になりそうだな、と思います。

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