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2013年3月 2日 (土)

(387) 広汎性発達障害のカミングアウト(5)

実は、カミングアウトをする中身って「診断名」に過ぎないんですよね。

親は、子どもがより良い環境を得られる(少なくとも今よりは悪くならない)ことを期待してカミングアウトすることとなりますが、よくよく考えてみると、なぜ診断名を世間の皆様に公表しなければならないのか? 子どもがより良い環境を得られるためのトレードオフとして診断名の公表が必要となるのか? を考えると、それはちょっと違うのではないかと感じます。

私は中災防の心理相談員という(よくわからないcoldsweats01)認定資格を持っています。この資格維持のために定期的な研修の受講が必要となるのですが、その中で、疾病性ではなく事例性で判断することが大切なことを教えられます。要するに、医者でもないのに勝手に病名をつけて判断するのではなく、具体的に困っているできごとを把握し、その対処について医師に相談することが大切だ、ということなのですが、これを敷衍すると、より良い環境を得るためには診断名は必ずしも必要ではなく、困っていることを伝え、そのことへの対処をお願いするだけでも済むはずです。

もちろん、診断名も伝えた方が、相手にお願いを聞いてもらいやすいという現実はあると思うのです。でも、ここは親の踏ん張りどころではないでしょうか。

人に話を聞いてもらい、お願いをして納得あるいは協力してもらうことは、かなりの労力がかかります。でも、この過程を丁寧に実施し、愚直にお願いし続けることは、後々のことも考えるとbestではなくてもbetterではあるな、と考えています。

そうは言ってもやっぱり疲れますよね。でも、結局のところ、最後は障害のある子を授かったことで、この手の世間との落としどころの探り合いは避けきれない部分はある、と感じています。

障害児の親は、健常児を育てる大多数の人が恐らくは突きつけられない類の問い、それもとても重くシンドい問いへの答えを、たまたま障害児を育てることになったがゆえに考え、何らかの立場を表明しなければならないという、ものすごく理不尽な状況、ひとことで運命と片付けられたくない立場に立たされている、ということなんですよね。だから、あれこれ迷い逡巡したとしても、むしろそれは当たり前だ、くらいに良い意味で開き直ることも必要だと思います。罪悪感を感じる必要は全くありません。

ぶっちゃけ、カミングアウトでどの道を選んでも、100%満足する結果を得られることはまずありません。それでも、それぞれの置かれた環境の中で、小さな幸せの目標を掲げ、達成を積み上げることで、そこそこの幸せを感じることはできます。親の言動で変な批判が子どもに向かないように人への気配りを忘れず、愚直に生きていく道も、楽ではありませんがそう悪いものでもないと感じられるようになります。

しなやかに、子どもとの生活を楽しみましょう。

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