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2013年2月19日 (火)

(384) 広汎性発達障害のカミングアウト(2)

「実は、私の子どもは広汎性発達障害なんです」とカミングアウトされる側に立ってみましょう。実際には、担任の先生がお話して下さるのかも知れませんし、子どもさんの年齢がある程度上の場合は、本人が自らの口でそのことを伝えることになるのかも知れません。そこはバリエーションがあると思います。

いずれの場合であっても、恐らく私たち自身もかつてそうだったように、「何それ??」というリアクションが起こるのが普通だと思われます。このギャップを見誤ってはいけません。憶測で申し上げますが、私たちはさんざん悩み苦しみ、こみ上げる涙と動揺を抑えながら必死に学んだ過去があったと思います。その時に、書いてある内容がスーっと頭に入ったでしょうか? 感情的に受け入れがたいという部分もあったと思いますが、それを割り引いても「難しくてよくわからない」と感じたことは無かったでしょうか。例えば、「器質的な障害」って何のことかすぐにわかりましたか?

実は、カミングアウトするという一大決心をした上で実際に行動に移したとしても、受け取る側にその準備ができていると思うのは間違いです。露骨に態度に表すことは無いにせよ「ハア? よくわからんなあ」と思われることが多いだろう、くらいの予想をしておいた方が無難だと思います。

そして、あなたは一般的によくわからないことについて、積極的に関わろうとするタイプでしょうか? 面倒だと感じるタイプでしょうか? 

あなたはともかく、面倒だと思う人がいるだろうことは、容易に想像できると思います。もちろん逆に、その障害がどういうものなのか知ろうとしてくれる人も出てくるでしょう。更に、わからないものについて排除しようと思う人が出てくることも…。

今は桜宮高校や女子柔道の体罰問題がクローズアップされてちょっと話題にならなくなった感がありますが、大津市の中学校でイジメを苦にして自殺、等というあってはならないことがつい最近も起こっています。

思えば、「このままじゃ「生きジゴク」になっちゃうよ」という遺書を残して自殺したS君の事件が大きな反響を生んで、それから25年以上が経っています。それなのに、状況は大して変わっていないという現実は、やはり無視できないと思うのです。

言い換えると、これまで25年以上日本のどこかで起こり続けたことが、これから奇麗さっぱり無くなってバラ色の未来が待っている、という現実離れした考えは持てないと考える方が、常識的な選択であろうと思います。

イジメのリスクについて考える時、人は異質なものに対して必ずしも寛容ではないということから話を始めることが必要でしょう。特に幼少のうちは、人の目も気にせず、自分の思いに忠実に異質なものを排除しようとしますし、発達障害のある子は異質さ全開ですから当然その対象になりやすいことになります。

これに加えて、発達障害がある子は、意外と「みんな仲良く」というお題目を言葉通りに受け止めてしまう特性があるのです。そうであるがゆえに、客観的に見ればイジメられているのに、この言葉に縛られて自分がイジメられているという事実を認識できなくなってしまう、という理不尽なことが起こり得ます。学校に通うのはルールだから守る、みんな友達だとみんなが思っているから人をイジメるようなことはしないはず、という思い込みを持って、客観的にはイジメられている状況で学校に通い続けていたら、本人の思いとは別に普通壊れますよね。

もちろん、イジメはカミングアウトしなかったら防げるというものではありません。でも、きっかけに成り得ることであるということは十分に意識する必要があると思っています(続きます)。

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