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2012年3月24日 (土)

(319) 特別支援学級・学校選択をためらわせるもの(1)

もうすぐ新年度が始まります。それにも多少影響を受けて、前々からまとめてみたいと思っていたこともあり、標題について考えてみました。

大きく、親側の要因、学校側の要因に分けられると思います。今回は親側の要因を取り上げます。

一、親側の要因

  1. 親の子ども時代の思い出
  2. 親の見栄(親の思いと異なる現実の受け入れが困難)
  3. その選択が子どもにとって本当に良い環境なのかがわからない
  4. 個別の学級・学校の良くない噂の存在
  5. その選択をした瞬間、子どもに障害者として生きていくことを背負わせてしまう

1.親の子ども時代の思い出

親も、生じた瞬間から親だったわけはなくて、やはり赤ちゃんとして生まれて子どもになって小学校に通った経験があります。

私の経験ですが、当時も私の通う小学校に特殊学級が併設されていました。

そこは、通常学級のある校舎から見ると職員室や校長室を挟んだ反対側にあって、健常の子がわざわざそちらに行くことはなく、何となく近寄りがたい雰囲気だったと記憶しています。

上級生になって、掃除の時間にそちらの教室の清掃も班順に行うこととなり、そちらに入るようになりました。その教室には遊具が設置されていて、その時は一人の男の子が在籍していましたが、その子は言葉を話せず、幼稚園児のように小柄でした。でも、私達より2つ下だと聞いて驚くとともに、可哀想だなと思ったりもしました。

私の関わりはこの程度です。この程度の関わりしか持つことがなかったという経験は、今の親の世代では普通だったと感じていますし、この程度で何を言うのか! とお叱りは覚悟の上で言いますが、やはり接触の少なさによるイメージの持ちにくさと逆に断片だけの記憶のかけらで全体イメージができあがってしまっているということの相乗で、何となく行きにくい開かずの間のようにベースとしての受け止めができあがっているということがあるかと思います。

2.親の見栄(親の思いと異なる現実の受け入れが困難)

1.とも関連しますが、やっぱり世間並みでありたいという親の見栄は0にはできないと思います。大多数と離れることへの怖さと裏腹になるものだとは思うものの、できれば普通学級に、という思いが湧いてくるのは否めません。

そうなると、現実を見れば普通学級でやっていくことがかなり厳しいなあと感じていたとしても、もしかしてひょっとしてできる、もうちょっとしたらできるようになる、という根拠レスな願望込みの思いにとらわれてしまうこととなります。

3.その選択が子どもにとって本当に良い環境なのかがわからない

これは、いざ特別支援学級・学校の選択も視野に入れようとした時に出てくる懐疑となります。普通学級・特別支援学級・特別支援学校と3つの選択肢を、3つもあると思うか3つしかないと思うかにつながる話だと思いますが、全く×だらけあるいは○だらけという選択は実はそうそう無いわけで、どこが適当か(悪く言えばどこがまだマシか)の見極めがつかないということになります。

4.個別の学級・学校の良くない噂の存在

特別支援学級・特別支援学校は、地域にそうそうたくさんあるわけではありません。毎日通うということを考えると、どんなに評判が良くても選択できません(人によっては、そのために引っ越すという荒業を使う人もいますが、全員ができることではありませんね)。

そうなると、事実上選択の余地がないその学校・学級に行こうと思った時に、当然情報を集めにかかることとなります。もちろん、その結果評判が良い学校ならそんなことは起こらないのですが、あの学校は先生がダメ、行っても大した指導もしない、他で評判が悪い先生が回されてきている…というような噂を耳にして、本当に入れて大丈夫かと疑問を感じてしまう事態が起こるということも現実としてあります。

5.その選択をした瞬間、子どもに障害者として生きていくことを背負わせてしまう

実は、特別支援学級・学校に行くということは、この決断をするということとニヤイコールであり、その決断は勇気がいるかと思います。

よく、できなくはないとは言うものの、実際に特別支援学級・学校から普通学級に移行するのは至難の技です。その理由は簡単で、そもそも学校の教科書を使わない授業がほとんどとなってしまっている以上、学力的なハードルが高くなってしまう、という一面からもお分かりになるかと思います。また、特別支援学級・学校は普通学級の予備校ではありませんので、社会性の獲得と身辺自立を目指した指導がメインで、普通学級に行くという視点での指導は行われていません。

こういう状況の中で、親もためらってしまうということになってしまいます。

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