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2011年11月 6日 (日)

(291) 親の期待と子の思い

療育は子供のできることを増やし、社会適応能力を高めることを目的に親子で取り組むものだと私は考えていますが、それに加えて普通学級に在籍し続けることまで目的にしている方もおられるようです。

これは、ともすると普通学級に居続けることが主目的になりがちとなり、多少の能力の伸び程度では親が満足できない⇒子の側は誉められない(+場合によっては、叱責される)⇒やる気を失うという流れにつながりやすく、結果としてあまり良い循環を生まないように思います。

確かに、親として普通学級に在籍しているか否かは大きな関心事ではあります。普通学級にいて、そこで踏みとどまってやっていけるのであれば社会に出て「普通」の人生を手に入れられるかも知れない。そういう期待を持ってしまいます。

でも、それが子供の思いと一致しているでしょうか。

普通学級に在籍し続けることは、広汎性発達障害を持つ子にとってかなりの精神的な負担になると思います。例えとして適切かはあると思いますが、優秀なCPUを持っている健常のお子さんが軽々とできることでも、電卓しか持っていない子だとかなりシンドイこともあると思います。

息子の様子を見ていると、普通学級に通う時に比べて明らかに通級に通う日は生き生きしています。もし固定の情緒障害学級があれば、そこに入れたのに…という思いは今でもあるのですが、無い以上次善の策として普通学級+通級指導教室という選択をしているに過ぎません。

子が普通学級に通っていても、それが自分の不出来を毎日確認するためであるかのような日々を送っているのだとしたら、恐らくその子は自己肯定感ならぬ自己否定感を強く持つようになるでしょう。普通学級に在籍することでやる気を失ってしまうようなことがあれば、それはやはり本末転倒だと私は思います。

こんなことを考えたのは、ちょっと知っていた方のお子さんがこれまで普通学級で頑張ってきたのですが、特別支援学級に転籍することを決めたと聞いたからです。結構熱心に療育に取り組まれていたのですが、お子さんがうつ状態になってしまったとのことで、「もうちょっと頑張れば・・・」の思いが裏目に出てしまったな、ととても残念に思いました。

ただ、だからといって最初から何もやらせない、という選択も取りにくく、結局常に子供の状態に細心の注意を払いながら、重過ぎずしかし軽過ぎない課題を与え、できることをやっていく、というかなりベタな結論にしかならないと受け止めています。

とはいえ、親子で取り組むとは、究極のところ子供の思いに留意しつつ能力を伸ばせる環境の調整を親が慎重に行っていく、ということに尽きるのではないでしょうか。

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コメント

いつもコメント&ぺたありがとうございます。
アメブロから飛んできました。

育児ブログの方も読ませて頂きました。
なんだか心にあったモヤモヤが少し取れました。
普通学級か支援学級か最後は親が選択するんですよね、
どちらを選んでもそれが子供の重荷にならないように
調整するってのが大変ですよね

明日、嫁さんとも話してみたいと思いますよ。

ともぱぱ。様

コメントいただきありがとうございます。

>普通学級か支援学級か最後は親が選択するんですよね。

建前ではおっしゃる通りなんですが、これは地域によって判定委員会の意見に従ってもらおうとプレッシャーをかけられるところもあるようです。

支援学級を選ぶ場合、それは文部科学省の検定を通った教科書を使わなくても良いという選択をすることでもあったりします。

親としては悩みますよね。

通級については(231) 通級の良し悪し(http://deliberation.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/231-b177.html )にまとめてみていますので、よろしければご高覧頂ければ幸いです。

正直なところ、どの選択をしても若干の後悔は残るもんだ、という達観も必要だと感じています。

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