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2011年8月 8日 (月)

(264) 障害のある子を持つ価値(教育への気付きから)

障害のある子を持って、「自分の人生は大きな重荷を背負った」と思われている方も少なくないと思います。それは一面でその通りだと思います。

ただ、自分はそれだけで終わらせてはモッタイナイと思うのです。

明らかに自分と異なる思考・行動様式を持つ息子との生活は、常識だと思っていたことの意味を再確認させてくれることが結構あります。特に、息子ができないこと、嫌がること、不得手なことで常識とされているものは、それまでは自分もそうするもんだと思って疑いもしなかったことなのに、「そう言えば何でだろ?」と思わされることも少なくありません。

常識は、そうすることでみんなの負担が楽になるからというものが多く、それはそうだなと思い直すことも多いのですが、それだけではありません。実際、例えば教育については文部科学省の負担が楽になるから、ということもあったりします。

先日twitterでつぶやいたことですが、現行の学校制度は明治時代の富国強兵政策の遺物です。欧米列強の植民地になることを避けるためにいち早く産業を発展させ兵力を増強させることが目的であって、教育はその手段であるがゆえにそれにかける労力・費用を最小化し、効果を最大とするようにできています。これは大多数の健常児にとっては有効な手段である一方、天才児と障害児に適したものとはなってきませんでした。言い方は悪いですが、天才児は普通級内で放置、障害児は別のところ(養護学級)でできることをやっておいてよ、という感じだったのだと受け止めています。

戦後もこの「中の上」大量生産教育によって、均質でそこそこ優秀な労働者を多量に産み出した日本が高度経済成長を果たして世界有数の国になりました。ここまでは、それなりに意味があったと思われるのですが、今の世の中ではどうでしょう? 明らかに機能不全に陥りつつあるように感じているのは私だけでしょうか?

皆異なる個性を持ちそれを尊重しようと言いながら、個々人に適した教育を与えないというのは、論理矛盾です。パラダイムシフトが起きつつある今の世の中では、天才児も障害児も含めた全員が一人ひとりその能力と興味関心に応じたきめ細やかな学習環境を得て能力を伸ばし、社会においてその能力を存分に発揮し、社会に貢献できるようになること、それを本人の自己実現として本人も喜べることを理想として対応していくことが絶対に必要になると思います。そのことによって結果として国が元気になることもできるでしょう。

もちろんこれを実際にやろうとすれば、費用は間違いなくより多く掛かります。でも、文部科学省は所掌でないから知ったこっちゃないのかも知れませんが、学校を出た後結局社会で何もできずに生活保護や障害年金で生活せざるを得ない人が生まれてしまっているとしたら、あるいは天才による革新的な技術開発ができないままでいることになったとしたら、その方がはるかに社会的損失が大きいと思います。

結局、福祉が厚生労働省、教育が文部科学省、産業育成が経済産業省、雇用が厚生労働省と国の機関が分かれていることによって、国全体で戦略的に子ども達の成長を見守り、社会に出た後まで継続してフォローするという視点が欠けてしまっていることが問題だと思っています。

このような視点を持てるようになったのは、息子との関わりによるところが大きいと思っており、人間として成長させてもらっているなあと思うようになりました。

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