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2011年8月 6日 (土)

(263) 育てられる子にも気持ちがある

息子の療育環境は、今は結構良いと評価しています。でも、それは息子の成長が療育環境と関連があることが推定され、かつ親から見て好ましく成長しているという親ニーズだけで判断しているわけではありません。もちろんその事実が最初に無ければ話になりませんが、それに加えて息子が楽しそうに過ごしている、少なくとも元気が無くなる等ネガティブになっていないように見える、という息子の気持ちも汲み取って判断する必要があると認識しており、この一歩引いた視点を忘れてはいけないな、と常々自戒しています。

これを敷衍すると、親から見て好ましい社会的に的確な行動を取れるようにすることは一般的に必要なことではあるものの、子供が嫌がるのも構わず力技で押し付けるようなやり方は避けて、子供の側も進んでその取り組みをやってみようと思える環境作りが大切だ、ということになるかも知れません。最後の最後に踏み越えるところは場合によってはあるかも知れませんが、大抵はそれ以外にやり方があるのではないか、と思っています。

よくよく考えると、これは障害児育児に留まらないものであって、健常のお子さんでも同様だと思います。親が子供を見て「成長したな」と感じるのは、社会性が増したりできることが増えたりした場合で、それは親にとって好ましいことではあるのですが、あまりそこだけに力点を置くと親にとって都合の良い子にしてしまうこととなり、それが原因となって子供の自尊感情を損なってしまうようなことになっては、後々かえって良くない結果を招来することとなってしまうと考えます。

特に、知的にそこそこ高いお子さんの場合、良い子を「装う」ようになってしまうことがあり、そのストレスは必ず何か別な形で、それもより厄介な形で出てくるように思っています。だからこそ、子供が楽しそうに過ごしていることが大切だと思います。

療育に熱心なことは悪いことではありませんが、何かができると更に次、というのをあまりやり過ぎると取り組み意欲が減退し、疲弊していきます。「這えば立て 立てば歩めの親心」という句は親の気持ちを表しているものではありますが、親に願いがあるように子にも気持ちがあるわけです。そもそも、親が望んだような子に育つなんてことは障害児だけでなく広く一般の育児においてもむしろ稀有なことで、ままならないのが育児だというくらいの割り切りが必要だと思います。

ABAに代表される行動療法は、本来「気持ち」という目に見えないもの対象とせず、先行条件と出てくる行動だけを基に分析をして対応を考えるものではありますが、考えないだけであって気持ちが無いと看做しているわけではありません。

ついつい「○○ができないからどうしよう?」「じゃあ、このようにやらせてみよう」と脊髄反射的に考えるようになりがちですが、そういう時はちょっと引いて、実際にやらされる子の気持ちの存在を意識し直してから対応を考えることが大切だと思います。そうすると、時に一見回り道をするようなゆっくりとした取り組みになってしまうかも知れません。でも、その方がきっと子どもの笑顔が増えるだろうと思います。焦ってはいけません。

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