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2011年5月 5日 (木)

(231) 通級の良し悪し

通級についての考え方はいろいろあるようです。

それについて議論する前に、通級指導教室ってどういうものなのかの解明が必要だと思い、現在わかっていることを書いてみます。

通級指導教室は、普通学級に在籍している子が通う教室です。100%普通学級の在籍で、通級指導教室に在籍する、という概念はありません。そして、教育委員会の判定を受けて通級指導教室に通うことを許可された子が通級指導教室に通うと、所属している普通学級の出席日数にカウントされる(=欠席扱いされない)こととなります。

言い換えると、通級指導教室に出ている間、当然所属する普通学級で授業が行われているのですが、そちらに出ることは物理的に不可能で、かつその分の補習が別途行われることもありません。通級も学校で行う授業の枠内の仕組みであるということです。

ここで、親として気をつけなければならないのは、週のうち普通学級で4日、通級指導教室で1日を過ごすことにより、国語や算数という学科においては、通級の日の分が欠けてしまう(一応、通級指導教室でも学科の時間はあるそうですが、普通学級からきれいに引き継いで進め、また元に戻すということは現実的ではない)ので、それは家庭等で補わなければならないということです。

以上の前提がまずあって、通級に通うことを考えると、クラスに所属する時間が物理的に減るので、クラスの子とやり合う時間が短くなります。このことの功罪はいろいろ出てきます。

まず、通級指導教室はメリットとして

  1. 人数が少ないので指導が行き届く
  2. 似た特性の子がいて、落ち着く
  3. 特性に合った授業を行ってくれるので理解を促進する
  4. SST等の指導もやってくれる

ということが上げられます。逆にデメリットは

  1. クラスの子と一緒にいる時間が短くなり、交流が薄くなる
  2. クラスの子から偏見を持たれる可能性がある(端的にはイジメ問題)
  3. 自身を客観視できるようになると、なぜ自分が他の子と違うのか悩むようになる

ということがあるようです。

実際、進級するに従い、通級指導教室に行きたがらない子が増えてくるようなことがあるそうです。更には、行っていた事実すら無かったことにしたいと考えるようになる子もいるとか。周りが見えるようになるのは成長で喜ばしいことなのに、本人の成長に適した形の配慮を込めた通級が、本人の成長を促進したことによって忌まわしいものと思われる矛盾を内包してしまう。これをどのように整理して受け止めるのかを問われる時がいずれ来ます。

我が家の整理は今のところは明快で、

  1. 1年生の時には通級指導教室に通っていなかったものの、(161)に書いた通りバカと言われていたわけで、今更通級指導教室に行き始めたことをもって偏見がひどくなることはあまりないと判断した
  2. 仮に通級指導教室に行かない選択をしていたとしても、やはり不規則・奇異な発言はあっただろうし、周囲の友達から見た状況に差が出ていたとも思えない
  3. 通級指導教室に通っていることで担任の先生の注意喚起を引き出すことができる
  4. 普通学級のお友達と関わる時間が短くなっても、現状では長くいたからと言って適正な関わりが増えるとは思えない
  5. 所詮小学校の付き合いが一生続くわけでもないし、いざとなったら私立に編入する道も無いわけではない

ということから、通級指導教室に通わせる方がメリットが大きいと思います。もちろん(225)で書いたように、自分はたまたま期待が持てる先生方だったからそう判断したのであって、メリットが無いようなやる気の無い先生方であったら、判断はまた別だったと思います。

なお、通級指導教室の先生からは、ほぼ毎週のことでもあり隠せるものでもないから行っていることをオープンにした方が良い、というようなご意見を頂きました。ただ、世の中善意の人間ばかりではないんですよね。昨今の風評被害の例を見るにつけても、その思いを強くします。まだ言わなければならない状況にはなっていませんが、言うにしても診断名は言わないようにしようと思っています。

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教育制度・環境」カテゴリの記事

コメント

こんにちは! オープンに関してはそれ程神経質にならなくてもいいかもしれません。
まだ低学年でしたっけ? どうしても苦手なものを治せる様に、他にお勉強しに行くのだと
本人にも言っておくと、お友達にもそう言う筈です。
ウチの場合はチビのそういう所と担任の上手いフォローもあって、級友達から
「時間だよ~。行ってらっしゃ~いhappy01
と送り出されていたようです。
要は、級友たちの「あの子、何処行くの?どうして行くの?」に担任がどう対処するかだけなんですよね。

瀬津喩さま

コメント頂きありがとうございます。
あれこれ考えても最後はエイヤー!で判断して言わざるを得ないかなあと思っています。
ひとえに担任の先生のキャラとテクニック次第というのは全く同感です。
実は、先週の保護者会でそのことを他のお母様方にお話しようと用意していたのですが、2年の担任がお話好きで、去年はあった1人ひと言コーナーが無くなってしまい、まだ言えていませんcoldsweats02
いずれまたの機会にと思っています。

こんばんは~☆
うちの子も先週から本格的に通級が始まりました。教室が校内、本年度からという事もありまだ、通う生徒の人数が比較的少ないので、空いた時間は息子のクラスに補助としてついてくれているという恵まれた環境にいます。(息子に付きっきりではなく、他の子も見てくれてます)
市内でも人数が少ない学校で1学年1クラス。幼稚園からずっと同じメンバー。クラスには
息子以外にも個性豊かな子(笑)多数なので、そういった点でも恵まれた(不謹慎ですが)のかも・・・。

今後 
2.クラスの子から偏見を持たれる可能性がある(端的にはイジメ問題)
の可能性は年齢的にも心配です。その辺は、やはり 担任の技量かな・・・・。
ただ、クラスから離れる時間、個別での授業を一番希望していたのは息子本人なので
、去年個別の指導して頂いたときから”苦手部分を少しでもできるように!”と話していたので、本人もそのつもりでいるのと、その時間が本人自身、身が入り安い・落ち着くと自覚があるんでイイみたい。
クラスの子達と一生を共に過ごすわけでもないですし、授業に遅れた分を家庭で補ってでも、今、子どもにとって何が必要かということだと思います。
今後の様子をみて お子さんの事をみんなに理解して頂く必要があった時でいいのではと思います。その際も、どういった部分苦手で手助けが必要かということでいいと思いますよ。診断名まで言う必要はないと思いますよ。

自身のお子さんと相手の関わりによって判断してみては?
ちなみに、うちは野球をしている親御さん、子ども同士親しくしてる親御さん(よく遊びに行く、来る)には、きちんと話し、より理解と協力をお願いしお付き合いさせて頂いてますよ。

twitterにてお世話になっています。
息子は来年小学校、まだどの様な通学形態になるかは決まっていませんが、まさにこの記事の様な事を来年から考えなければならないのだなぁと思っています。今は障害者通園施設に通っていますので、健常児との本格的な係わりが初めてになりますので。また、
> 3.自身を客観視できるようになると、なぜ自分が他の子と違うのか悩むようになる
に関しましても、本人にどのように説明すればよいのかは悩ましいです。

sei さま

コメント頂きありがとうございます。

>空いた時間は息子のクラスに補助としてついてくれている
って良いですね。本当は、クラスの中に留まって補助(擬似シャドー)してもらうのがベストだと思うのですが、うちの子だけにそういう対応ができるわけでもありませんし、これはやむを得ないかなあと。

>”苦手部分を少しでもできるように!”
と息子にもお話して納得してもらっている「はず」coldsweats01なので、まったくおっしゃる通りだと思います。実際、本人も嫌がらず「楽しい」と言っておりますし。

>授業に遅れた分を家庭で補ってでも、今、子どもにとって何が必要かということ
そう思っているのですが、大多数の子にとってはそもそも必要ないことでもあり周囲の受け止めはまた違うだろうと思います。子どもの学校生活が「担任の技量」というある種の運に負う部分があって、それで良いのかという思いはありますが、それはそれとして担任の先生と対応をお話していくことになるなあと思っています。

とうさんさま

コメント頂きありがとうございます。
自分の経験から申し上げると、学校の選択についてはベースが普通学級で(親が何かアクションを起こさない場合、普通学級になる)、親が特別支援が必要だと思っている子については、親に対する教育委員会の説明会とそれに伴う学校公開が行われ、それを見て親が判断するという形でした。このあたりは地域によってかなり差があるようで、まずは教育委員会に積極的に情報を求めていかれることをお勧めします。

もし、息子が他の子との違いに悩むようになったら、テンプル=グランディンさんの「私は普通の人とは違う、でも劣っているわけじゃない」という言葉を教えたいと考えています。彼女がこの境地に達するにはかなりの葛藤があったと推察され、この言葉は深いと思っています。

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