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2011年2月10日 (木)

(210) 軽度発達障害に特化した教育

息子が曲がりなりにも小学校に入学してもうすぐ1年になろうとしています。来年度通級指導を受けることも決まっているのですが、クラスに数パーセントいるとされる軽度発達障害児に対してどのような教育をすることが望ましいのかを考えてみました。

まず、そういう子を集めた環境で勉強させた方が良いだろうと思います。今のインクルーシブの流れからは逆行するようですが、似た個性のある者同士の方が親近感も湧いて交流も深まりますし、先生も指導がしやすいと考えます。更に言えば、インクルーシブをやるのであれば、それなりに徹底した指導ができなければ単なる理想論・空理空論に堕してしまうと思います。長引く不景気感で障害者等弱者へいらだちをぶつけるかのような事件が起こったり言論が沸き起こったりするのを見るにつけ、その思いは深くあります。

一クラスの人数を15人程度とし、基本的に授業は淡々と進め、一斉指示に従いにくい子に対しては、補助員がフォローをするといった対応を行います。そして、放課後は個々の子の特性に合わせて補助教材を使った補習を行ったり、課外授業のようにSSTを行ったりするということでどうかなと思います。もしこのような学校があれば、通わせたいと思う親も少なくないと思うのですけどね。

このようなすみわけが行われれば、健常の子との軋轢も避けられるし、発達障害の子のイジメや不登校問題も軽減されることが期待でき、社会適応性の高い子が育てられることから、後で福祉の世話になる率も下がって社会的にもメリットがあると考えます。

現状発達障害の子を受け入れている学校を見学すると、なぜか学力は二の次にされてしまっているような印象を受けます。そこでは、大学なんか行っても社会性の低さが治るわけでもなく、結果として就職活動をしても面接で落とされたり入社できても周りとうまくいかずに退職に追い込まれちゃうから、変なプライドが生じる大学への進学よりも手に職をつけてコネのある就職先で頑張った方が良い、とされてしまいます。これで本人が納得した人生を歩めるのであればそれでも良いのですが、知的に高ければ高いほど成長する過程で不調和が生じていくと思います。それなのに独り立ちできることが大事で、本人が我慢すれば良いというのは、本当に正しいのでしょうか。

大学を出ても就職できないなら、できる作業所を作れば良いのではないでしょうか。足りないところを補えば、下手な健常集団にも負けない仕事をできる可能性もあるのだから、そういう方向性で考える時代にきているのではないか、と閉塞する日本を見ていてそう思います。

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教育制度・環境」カテゴリの記事

コメント

同じような障害を持った子ばかりを集めても、社会へ出たときに対応が出来ない子に
なってしまわないかと心配になります。
本人たちが気楽に過ごせる環境が良いとも限りません。
色んな人間がいる中で生きていけるように指導するのが大切だと思います。
また、健常者と言われる子供達の視野を広げ、どう接したら良いのか・どう協力するべきなのかを考え覚えてもらうことも大切です。

瀬津喩さま

コメント頂きありがとうございます。
息子の例で恐縮ですが、彼の通う療育先には(当然)似たような傾向の子が集まっています。でも、その数人の集団の中で、やはり合う・合わないは出てきます。このように似たような子を集めても人間関係はできていくのであり、社会経験もそれなりにできると思っています。逆に、それ以上の円滑な社会経験ができる子は、そもそも障害者ではないのではないでしょうか?

また、低学年~思春期は健常児でも人格的に未熟なところも多々あります。むしろ健常児は異質なものを一度徹底的に排除するという過程を通じて徐々に寛容さを身につけていくように感じており、そういう時期に敢えて一緒にいさせることにはメリットよりもデメリットが大きいように思います。

健常のお子さんが自閉系の子に対して関心を持ち、接し方を学ぼうとしてくれるのであれば、それは貴いことだと思います。ただ、それは強制によるものであってはならないと思いますし、道徳で縛っても身につかないだろうと思います。

健常の子との交流は高校の途中くらいの双方ある程度落ち着いてからで良いのでは? それでも無理ならむしろ別の社会を歩めるようにしたら? というのが当方の思うところです。

初めまして。同じような発達障害の子がいる親です。

ちょうど発達障害で検索している時にこちらのページを見つけました。
3年前の記事に対するコメントになりますが、とても共感したのであえてかかせて頂きました。

まだ子供が2歳くらいの頃、なんだか周りの子と少し違う、言い聞かせているのに全然通じない、でも発語は1歳…云々、発達のアンバランスさと育てにくさを感じていました。
そして昨年、自閉症スペクトラムと診断されました。

今なお何かと試行錯誤ですが子供の視点って面白い事が多くて興味深く、いつの間にか大人の私達が色んなものに固定観念を持ち、それなりの視野の狭さ、こだわりがあるんじゃないかなと感じています。

健常と言われる方との違い、仰るとおり「異質なものを排除する」傾向が
感じられます。
そういう場面に接触したとき、自然に理解するまで待つのも必要ですが、
異質なものって何か等、なぜその様に思うかを
よく考える必要もあるのかなと思います。


そして、大学→企業に働く事が普通と思われる空気にも違和感を感じています。
作業所を作ったり、自営業をするなど色んな道があるように思います。
色んな道があることを提示し、
個々の特徴を大いに活かして生きて欲しいと思っています。

しろくろくまさま

コメント頂きありがとうございます。

世の中に「お約束」と言われていることって結構たくさんありますよね。

「ボケたらツッコむ」「都合の悪いところは見なかったことにする」「好きなものを選んでいいよと言われても、あまり高いものは選ばない」「5分程度でいいから、という打ち合わせが本当に5分で終わることはまずない」…等等、言い出したらキリがないと思うのですが、こういう暗黙の了解をわからないのは、どうしても摩擦を生じやすくなりますよね。

ただ、昨今はこういう空気を読まない、ルールに忠実な性質を活かして例えば監査者として起用する、という使い方をする企業も現れています。

そういう方向性が広がるとともに、その中で社会に役立つ子どもの個性を見つけ育てられたら良いなあと思っています。

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